兵庫県の衝撃、郷土料理!?
兵庫県の地域や季節によってさまざまな郷土料理があります。今回はその中からいくつか代表的なものを紹介いたします!
イカナゴのくぎ煮
「イカナゴのくぎ煮」は生のイカナゴの稚魚を醤油、砂糖、ショウガなどで甘辛く煮た佃煮で、瀬戸内海沿岸地域で古くから作られている郷土料理。煮上がった姿がさびたくぎが曲がったように見えることから「くぎ煮」と呼ばれている。神戸が発祥の地と言われ、元々漁業関係者の家庭で作られていた料理だったが、1980年代以降、一般に広く知られるようになった。明石の漁業協同組合の女性たちが、漁師向けに濃い味付けだったくぎ煮を一般家庭向けに改良したレシピを作成し、料理講習会を開き、普及に努めたこともきっかけの一つ。 毎年、2月末から4月にかけてイカナゴの稚魚(新子)を捕る新子漁が行われ、鮮魚店には新子を買い求める客が列を作る。街中にはイカナゴを炊く醤油や砂糖の香りが漂い、地元では「イカナゴの香りがすると春がやってくる」と言われている。「イカナゴのくぎ煮」は瀬戸内の春の風物詩であり、現在も食文化として定着している。
明石焼
「明石焼」は、小麦粉とじん粉、卵とだし汁を混ぜた生地にタコを入れて焼き、つけ汁につけて食べる明石市の郷土料理である。見た目はたこ焼きに似ているが、たこ焼きはソースをかけて食べるのに対し、「明石焼」はかつおや昆布のだし汁につけて食べる点が大きな違いだ。地元では古くから「玉子焼」と呼ばれ親しまれてきたが、昭和63年頃、市の職員が明石の町のPRになるようにと「明石焼」と名前をつけてみたところ、各地にその名前で広まっていった。江戸時代末期から大正時代にかけて、明石では地場産業として装飾品の「明石玉(人工さんご)」の生産が盛んに行われていた。「明石玉」は卵の白身を材料とするため、この製造過程で余った卵の黄身を目の前の海で捕れるタコと混ぜ合わせてできたものが明石焼の始まりではないかといわれている。おやつの代わりにもなり、子どもから大人まで気軽に食べられる明石のソウルフードである。
ちょぼ汁
どろっとしただし汁に、団子とささげ豆、ズイキが入っている「ちょぼ汁」は、江戸時代から続く淡路島の伝統的な郷土料理である。お汁粉に似ているように見えるが甘くない。具のささげ豆ともち粉の団子は栄養価が高く、ズイキは古い血をくだし血液をきれいにする作用があると言われ、「産後の乳の出を良くするために嫁に食べさせる」と、母が出産後の娘の体力回復のために作る習慣があった。鍋にたくさん作り、出産のお祝いに集まった親戚や近所にも振る舞う。また、子どものお宮参りの際にも作り、親戚や知人に配る習慣がある。 ちょぼ汁の名前の由来は、子どもがかわいいおちょぼ口になるようにとの願いを込めたところからついたという。汁の中に入れる団子は、女の子が生まれたら真ん中をへこませるかまん丸にする、男の子だったら先をとがらせる。そうして子どもの健やかな成長を願う。
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